日産が電動ハイパーカーのコンセプトモデル「ハイパーフォース」を発表【ジャパンモビリティショー2023】
2023.10.25 自動車ニュース 拡大 |
日産自動車は2023年10月25日、ジャパンモビリティショー2023の会場でプレスカンファレンスを開催。電動ハイパーカーのコンセプトモデル「日産ハイパーフォース」を発表した。
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すわ新型「GT-R」か!?
ジャパンモビリティショーにおける日産のプレスブリーフィング前、そのステージには3台のクルマが並んでいた。向かって左奥は、すでに発表済みの「ハイパーツアラー」。カッパーのボディーカラーが印象的なミニバンだ。反対の右奥には、同じく発表済みの白いクロスオーバー「ハイパーパンク」。そして中央には、黒い布をかぶった謎の一台。どうやら、これがサプライズの発表となるようだ。
後ろ向きに置かれているようだけど、背が低く、傾斜のかかった特徴的なルーフラインに想起されるものがある。日産が誇るスーパースポーツ「GT-R」だ。「もしや、次世代のGT-Rが発表されるのか？」と期待が高まった。
そんななかでプレスブリーフィングがスタート。コンセプトカーを紹介するビデオの放映が終わると、いきなり中央のクルマがアンベールされた。メインのディスプレイには「NISSAN HYPER FORCE」の文字。そこにさっそうと登場したのが日産の内田 誠社長だ。ジャケットは羽織っているもののデニムにTシャツというカジュアルな格好で、「会場の熱い興奮と期待を感じています。そして、この会場をもっと熱くしたいと思っています」と切り出す。そして「本日紹介するコンセプトカーは、創立時から受け継ぐ『ほかのやらぬことをやる』という精神から生み出された、まさに日産しかつくれないEV（電気自動車）。私たちが目指す、未来を象徴します」と述べ、5台のコンセプトカーの説明をスタートした。
5台のコンセプトカーとは、ジャパンモビリティショーの開幕前に発表していた「ハイパーアーバン」「ハイパーアドベンチャー」「ハイパーツアラー」「ハイパーパンク」の4台に、たった今公開された「ハイパーフォース」を加えたもの。ちなみにステージにあるのは3台だけで、残りの2台は“バーチャルでの展示”であった。
リアルとバーチャルをつなぐアイデア
気になるハイパーフォースは、GT-Rの特徴的なルーフラインと4灯の丸いテールランプを備えているものの、内田社長の口からは最後まで“GT-R”の言葉はなかった。今回のモデルは次世代の何々というよりも、このジャパンモビリティショーのためにつくられたコンセプトモデルということなのだろう。
車両の特徴としては、全固体電池と強力なモーターを組み合わせた最高出力1000kWもの電動パワートレイン、進化した電動駆動 4 輪制御技術「e-4ORCE」、高強度カーボンの軽量ボディー、アクティブエアロダイナミクス、LiDAR（ライダー）を使う先進運転支援システム。文句なしの次世代ハイパフォーマンスカーだ。
しかも、このハイパーフォースにはほかにも特徴がある。それがバーチャルとリアルがシームレスにつながっているということだ。AR（拡張現実）と VR（仮想現実）を体験できる専用のヘルメットを装着すれば、クルマを止めたままドライビングシミュレーターとしても機能するという。シミュレーションでドライビングスキルを磨き、リアルなサーキットで腕前を披露できるというのだ。
内田社長が「まさにゲームチェンジャーとなるクルマです」と説明するハイパーフォースは、デジタルの可能性に前のめりな日産ならではの、今回のジャパンモビリティショーでも必見の一台といえるだろう。
（文と写真＝鈴木ケンイチ）
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